各リスク特性に応じた管理

保険リスク管理

保険リスクとは、保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動することにより会社が損失を被るリスク、および実際の経験率が最良推定の保険数理前提に反して変動することにより会社が損失を被るリスクです。
当社では、生命保険契約の長期性や保険事故発生率等の不確実性を十分に認識し、実効性のあるリスク管理を行うことで、会社の健全性維持と支払能力の確保を図っています。保険料が将来の保険金等のお支払いを確実に履行できる価格設定となっていることや、ご契約時の危険選択や保険金等の支払査定の基準がご契約者間の公平性に留意しつつ保険商品の基礎率等に応じて適切に設定されていること等を確認しています。
また、保険料設定時の予測に反して、保険事故発生率の悪化等リスクに変化があると認められる場合には、必要に応じて「引受基準の見直し」、「保険商品の販売方針の変更」、「追加責任準備金の積み立て」等の措置を講じて対応しています。

再保険について

再保険とは、保険会社がお引受けした保険契約上の責任の一部または全部を国内外の他の保険会社に移転することにより、リスクの分散・平準化を行うことです。
当社では、自己の保有する保険責任の一部または全部を他の保険会社に移転する出再保険について、リスク保有状況を十分に分析したうえで出再先の信用力・財務状況を考慮し取引を行っています。
また、他の保険会社の保有する保険責任の一部または全部を引き受ける受再保険については、リスクの種類・特性および収益性を評価し引受の可否を決定しています。

インベストメントリスク管理

インベストメントリスクとは、投資先の破綻や信用悪化により債券や貸付等が損失を被るリスク、価値の減少により株式や不動産持分投資が損失を被るリスク、および取引相手方から損失を被るリスクをいいます。
当社では、インベストメントリスクを以下に示す通り「クレジットリスク」「カウンターパーティーリスク」「エクイティリスク」に分類・定義したうえで、格付けに応じた発行体ごとの保有上限や業種別・国別の投資制限を設けるなど、特定の発行体に対する与信の集中を防ぐことで、ポートフォリオ・レベルでのインベストメントリスクを限定的な範囲に留めています。

クレジットリスク

クレジットリスクとは、債券の発行者や貸付等の債務者、または保証人の信用悪化を起因とする債務不履行により、債券や貸付等について損失を被るリスクをいいます。

カウンターパーティーリスク

カウンターパーティーリスクとは、取引に伴う決済において、取引の相手方の債務不履行または信用力の悪化により損失を被るリスクをいいます。

エクイティリスク

エクイティリスクとは、公開株式またはオルタナティブ資産(未公開株式、ヘッジファンド、不動産を含む)の市場価格の下落により損失を被るリスクをいいます。

マーケットリスク管理

マーケットリスクとは、負債の価値変動が資産の価値変動によって十分に相殺されないため、金利、為替レート、信用スプレッドが変動することにより会社が損失を被るリスクをいいます。
当社では、こうしたマーケットリスクを過度に取らないよう、「資産と負債の総合管理(ALM)」を行い、金利変動リスク等の抑制に努めています。具体的には負債特性を分析・評価したうえで金利リスクに関するターゲットを通貨ごとに定め、資産と負債の金利感応度の違いを妥当な範囲内に収め、負債と異なる通貨の債券や貸付等には原則為替ヘッジを付すことによって、マーケットリスクを適切に管理しています。

流動性リスク管理

流動性リスクとは、財務内容の悪化等による新契約の減少に伴う保険料収入の減少、大量ないし大口解約に伴う解約返戻金支出の増加、巨大災害等での資金流出により資金繰りが悪化し損失を被るリスク(資金繰りリスク)、および市場の混乱等により市場において取引ができない、または通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)をいいます。
当社では、資金繰りリスクについては、資金収支を把握・予測することにより管理しています。また、資金繰り逼迫度を平常時・懸念時・危機時・巨大災害時に区分し、それぞれの状況下で迅速かつ適切な対応が実施できるよう管理体制を構築しています。加えて、市場流動性リスクについては、流動性資産保有最低基準を設定し、資金化の難易度や市場の変動特性に応じて流動性資産の選別・評価の基準を定めたうえで、遵守状況を管理しています。

モデルリスク管理

モデルリスクとは、経営の意思決定や財務諸表作成において、計算式等から成るモデルの誤使用あるいはモデルそのものの誤り等に起因し、経済的損失や風評による損害を被るリスクです。
当社では、利用しているモデルの洗い出しを行うとともに、モデルから導き出された結果の正確性とその用法の適切性を保つため、モデルのリスク評価、文書化、テストの実施、継続的にモデルを利用することの妥当性のレビューと承認、管理状況のモニタリングなどの態勢を整備することにより、モデルリスクの顕在化の未然防止に努めています。

事務リスク管理

事務リスクとは、役員・社員等が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことによりお客さまに不利益を与える、または会社が損失を被るリスクです。
当社では、正確な事務手続きを遂行するため、事務諸規程の整備や事務教育、指導を実施するとともに、事故・不正等を未然に防ぐため、内部監査や各種点検等を行うなど、事務リスクの軽減に努めています。
なお、誤処理等により事務ミスが発生した場合、適切な対応および再発防止を実施しています。

システムリスク管理

システムリスクとは、コンピュータシステムのダウンまたは誤作動などシステムの不備やシステムの不正使用により損失を被るリスクです。
当社では、システムの不正使用を防止し、安定した稼働を維持するため、セキュリティ対策の強化に努めています。また、システム監査を始めとする定期的なモニタリング活動の実施により、システムリスクの評価ならびにその改善活動を行うなど、システムリスクが顕在化することのないよう、継続的な取り組みを行っています。
さらには、不正アクセスやサイバー攻撃などの異常事態発生時に即座に対応できる体制を構築するとともに、災害などの不測時に備え、バックアップセンターの設置ならびに非常時の対応体制を整備することで、リスクの極小化に努めています。

コンプライアンスリスク管理

コンプライアンスリスクとは、法規制や社内規則に対する違反や社会規範からの乖離により、利用者保護、市場の公正・透明性、金融機関自身の風評に悪影響を及ぼし、またその結果会社が損失を被るリスクです。
当社では、時代とともに変化するコンプライアンスリスクを的確に認識し、リスクベース・アプローチの考え方に則り、リスクの特性に応じた実効性ある管理によってコンプライアンスリスクの低減・未然防止に努めています。

法務リスク管理

法務リスクとは、事業や企業経営に適用される法令およびそれらの法令等の制定や改正等により、事業活動への制限や法的責任、法的不利益が発生するリスク、および法令等や各種取引上の契約等において、遵守違反や契約違反、その他それに伴う罰則適用や損害賠償などにより会社が損失を被るリスクです。
当社では、法務リスク管理部署が本社各部署からの依頼に対して法的助言や法的支援を行い、また法令改正情報の収集・提供および訴訟等の管理を行うこと等により、法務リスクの適切な管理に努めています。

労務・人事リスク管理

労務・人事リスクとは、雇用問題、労務管理、人材流出、人権問題、ハラスメント等により会社が損失を被るリスク、および必要十分な社員の確保、適切な社員の育成および配属、公平公正な社員への評価や社員への動機づけが行われず、非効率な業務運営になることで、会社が損失を被るリスクです。
当社では、労務・人事リスク管理部署が研修の実施、マニュアルの整備、各部門からの労務・人事上の相談・報告・指摘への対応、法令の改正に伴う対応等を通じて労務・人事リスクの未然防止に努めています。

フィジカルセキュリティ
リスク管理

フィジカルセキュリティリスクとは、外的要因や会社の瑕疵等により物的資源が毀損し執務環境および機能が低下する、または人的危害が発生することにより会社が損失を被るリスクです。
当社では、フィジカルセキュリティリスク事象が発生した場合の損失を最小限に抑えること、およびリスク事象の未然防止の取り組みにより、フィジカルセキュリティリスクの適切な管理に努めています。

風評リスク管理

風評リスクとは、当社およびプルデンシャル・グループまたは生命保険業界に関する悪評や信用不安情報等の風評が、お客さま、マスコミ、その他社会一般に広がり、会社が損失を被るリスクです。なお、「風評」とは、事実と異なる情報や、事実のなかで特定の部分だけが強調されることにより発生する誤解が広く社会に伝播することをいいます。
当社では、対外的に開示する情報の確認やメディア、インターネット上の書き込みサイトのチェック等による早期発見を通じて、風評リスクの未然防止に努めています。

子会社リスク管理

子会社リスクとは、子会社の財務の健全性および業務の適正性が損なわれ、株主資本やその他の資産の毀損を招き、会社の企業価値が損なわれるリスクです。
当社では、子会社に対して、報告を求める、事前に協議を行う等により、子会社の業務管理状況等を的確に把握し、子会社の財務の健全性および業務の適正性の確保に努めています。

危機管理

大規模自然災害や大規模テロなどの災害・事故、ならびに重大な風評被害等、通常のリスク管理では対処できない事象を危機と定義し、「危機管理規程」等において平時における危機の未然防止および発生時の対応を定め、お客さまにご安心いただけるサービスが提供できる体制を整備しています。
特に自然災害・火災等の発生については、被災地別・被災規模別に「災害対応計画」を策定しています。また、世界的な感染症の大流行にも備えることができるよう同計画を策定しています。これらの緊急事態が発生した際は「災害対策本部」を設置し、対応に当たります。
また、緊急事態発生に備え、バックアップオフィスを設置するとともに、災害対応計画の実効性を確保するため、定期的に総合訓練・検証を実施し、緊急時においても保険金のお支払い等の業務が継続できる体制を整備しています。