ボランティア・スピリッツ賞(アワード)

ジブラルタ生命・プルデンシャル生命・PGF生命ほか主催/文部科学省後援
PRUDENTIAL SPIRIT OF COMMUNITY(通称:SOC)
ボランティア・スピリット賞(アワード)

ラオスのことを知っていますか?

高知商業高等学校 生徒会
第17回ボランティア・スピリット賞 SOC奨励賞受賞

ラオスに学校を!

きっかけは、20年前。ラオスの学校建設を呼びかけた新聞記事だった。当時の生徒会が、「目に見える、形の残る国際協力活動に取り組みたい」という思いから、NGO組織である『高知ラオス会』と出会い活動を開始。2012年までに7つ(保育園1、小学校5、中・高等学校1)の学校建設に協力している。
1996年に生徒と教職員、保護者が株主となって『模擬株式会社』を設立。出資金は1株500円。今では、年間200万円を超える金額が集まる。この出資金をもとに生徒会のメンバーが、ラオスで民芸品や織物を買付け、文化祭や地元『はりまや橋商店街』と共催する『はりまやストリートフェスティバル』で販売し、建設資金に充てている。

高知商業高等学校 生徒会のみなさん

子どもたちの笑顔があるから!

彼らを活動に駆り立てる源は、文化交流や仕入れを行う『ラオス研修』にある。
「ラオスの子どもたちの笑顔は嘘がなくって、面白かったら『わー』って寄ってきてくれる。私たちも自然と笑顔になれる。笑顔があるから20年も交流が続いてきたんだと思う」。
「バン・カーム小学校で交流をするとたくさんの家族が来るんです。仲がいいなって感じました。私もこんなふうになりたくて、少しずつ変わって親と仲良くなれた。家族の関係を変えることができたのはラオスの人たちのおかげかな」。
生徒たちは、海を越え、ラオスの子どもたちと出会い交流したことにより、世界の中で新しい自分を発見し、成長を遂げている。

商品は私たちの『想い』

生徒たちは、片言のラーオ語と笑顔、電卓を武器に織物、銀製品、民族楽器、彫り物など工芸品の買付けにあたる。
「コトバは通じなくても『ありがとう』だけはわかる。仕入れの時に『毎年来てくれて、ありがとう』って言ってもらえるのが本当に嬉しい」。
地元高知の発展も視野に入れ、企業とのコラボ商品の開発にも注力している。生徒たちが企画を持ち込み、試作を重ね、オリジナル商品を完成させている。
「ラオスをPRする商品になっているのかとか、どうしたら高知県産の間伐材とラオスの特産品をうまくコラボさせられるかとか、すごく悩みました。ラオスの子どもの写真や現地から仕入れたゾウのパッチワークを貼ってみたりして、ラオスらしさを出すようにしました。」
高知県産の間伐材とコラボした木工製品をはじめ、織物や布地を使ったシュシュやポーチ、帽子などラインナップは20種類以上。想いの詰まった商品だからこそ対面販売にこだわる。
「私たちにしか伝えられないことがある。ラオスの女性が何日もかけて心をこめて織った布の話や子どもたちが学びたがっていることをお客さまに直接お話しして、ラオスを知ってもらいたいんです」。
「お客さまが『毎年、お疲れさま』、『今年もこれを買いたかったんだ』と言ってくれるんで、継続することの大切さが身にしみます。やってきたことを見てくれる人がいるんだって思うと報われます」。
こうした努力の積み重ねが、『ラオスの学校建設』活動の認知を上げていく。

  • ラオスで仕入れた製品や企画開発した雑貨類

そしてまた、次の20年へ

商業高校の生徒らしい柔軟な発想が地元の方々の共感を呼んで、活動に協力したいと寄付をいただくことも多くなったという。
「ラオスの人たちとのつながりと笑顔が、私たちの活動を支えています。昨年、ボランティア・スピリット賞で全国の仲間にも活動を知ってもらえました。これからは、高知発でもっと広い地域にも学校建設を呼びかけていきます!」
教室から世界へ! 彼らの想いは、また次の20年へとつながっていく。